三豊市の「LGBTQ+啓発リーフレット」をディレクションしました。

 
　毎年、三豊市のLGBTQ+に関連するポスターを制作させていただいてます。2020年のパートナーシップ宣誓制度を告知するポスターに始まり、2021年のやはりパートナーシップ宣誓制度の告知ポスター、そして2022年から始まったファミリーシップ宣誓制度のポスターと来て、2023年の今年はポスターではなく、LGBTQ+についての基礎を学べるリーフレットを作成しました。3月に印刷も上がり、すでに三豊市内のさまざまな場所で無料配布されています。

◉三豊市LGBTQ+啓発リーフレット

リーフレット編集・デザイン・イラストレーション：田中昭全（川田中商会）

　昨今、メディアで取り上げられることの増えた「LGBTQ+」。しかし多くの人は、漠然としか知らないままです。日本にはLGBTQ+に特化した教育機関があるわけではないので、そういう情報を自ら探さなくてはいけない状況が長く続いています。
　SNSなどを通じて知った気になっていると、間違った情報を鵜呑みにしていたというケースも多々見受けられます。そういう状況を少しでも改善したくて、わたしが講師の時にお話ししているごく基礎的な知識を、蛇腹折りのリーフレットとして完成させました。入門編として、より分かりやすいものになったと自負しております。
　新年度になり、さらに増刷されました。
　また、公共施設の各所で掲示できるようリーフレットを紹介するポスターも制作しました。こちらは印刷されるものではなく、各施設の簡易印刷機で出力して掲示することを念頭に作ったものです。

◉三豊市LGBTQ+啓発リーフレットのお知らせポスター

デザイン・イラストレーション：田中昭全（川田中商会）

　リーフレットは三豊市のオフィシャルサイトからもダウンロードできます。良かったらぜひ読んでみてください。

三豊市オフィシャルサイト 性的マイノリティについて理解を深めよう

◉リーフレットのねらい◉

ライター/アートディレクター/イラストレーター/デザイナー：田中昭全

　さまざまなメディアで取り上げられることの増えた「LGBTQ+」について、あなたはどれだけ理解できていますか？世代によっては、これまで学ぶ機会がなかったため自分の認識に自信が持てないままの人もいるのではないかと思います。三豊市では、2023年3月に「LGBTQ+について、もっと知ってください。」というタイトルのリーフレットを作成しました。性の多様性について、基本的なことを解説しています。公共施設などで配布しているので、どうぞ持ち帰って読んでみてください。
　21世紀になって、世界の常識はすっかり変わりました。人類が発展するためには多様性が必要であるということは、さまざまな学術研究からも導き出されています。それを受けて国連は、2015年に「持続可能な開発目標（SDGs）」を掲げました。そこには性的少数者の人権向上やジェンダー平等も含まれています。加盟国である日本はこれに批准しているので、法整備などの対応をしなくてはいけません。しかし、追いついていないのが現状です。
　LGBTQ+の話題はテレビや新聞で取り上げられることが多いので、都会だけの話だと思われがちです。しかし、地方にも昔から存在します。とある抽出調査から導き出した数字によると、その割合は13人に1人と言われています。一般的な生き方しか認知されていない地方にあっては、偏見や差別を恐れて公表しない人の方が圧倒的に多いのです。何気ない一言で傷つけてしまわないように、わたしたちは常に学んでいかなければなりません。自分とは関係ない他人事として考えるのではなく、例えば身近な自分の家族にもいるかもしれないと考えてみてください。その人が平穏に暮らすため、わたしたちにできることは何でしょう？
　あなたが自分の生活に人生をかけているように、同性をパートナーに選ぶ人もいれば、生まれ持った性別に違和感を感じ別の性で生きたいと切実に願っている人もいるのです。それを少しでも、理解してもらえたらと思います。