2016-02-26

映画「エソラ」のDVDができました。そして同時に、田中はプラウドを卒業します。

 田中が監督を手がけたゲイがテーマの短編映画「エソラ」のDVDがついに完成しました。ただし、こちらは非売品です。映画の制作に関わっていただいたスタッフやキャスト、寄付をいただいた皆さんに配布するものです。該当する方は、今しばらくお待ちくださいね。
 映画「エソラ」は現在、より多くの人に観てもらうためネットで無料公開しております。まだの方は、そちらからどうぞ。
 
「エソラ」esola
25分 / 日本 / 2013 / 日本語(英語字幕付き)
 

 ジャケットデザインも、ぼくが手がけました。表のイメージヴィジュアルは、友人の写真家・カガワナツコさんに撮ってもらったものです。裏面の写真がまた豪華で、カガワナツコさん、菊田秀人さん、小坂ちあきさん、にしださちさんに撮ってもらった写真を合わせて使いました。おかげで、とてもすてきなパッケージになりましたよ。どうもありがとう。パッケージデザインの画像も、こちらに採録しておきますね。
 
 
 
 田中はこの仕事をもって、長らく所属していたプラウド http://www.proud-kagawa.org/ (現「PROUD」。かつては「プラウド in 香川」という呼称だった。)を卒業することになりました。ほんとうはプラウド映画制作班で映画を何本か作ってからとも考えていたのですが、川田中商會をこれからいよいよ本格始動させるのと、何よりパートナーとの日常生活を最優先したいのもあって、ほぼ幽霊メンバーとなっていたプラウドからは完全撤退することに決めたのです。
 思えば、ゲイである自分となかなか折り合いがつかず、まだ苦悩の渦中にあった25歳の頃に参加したのが始まりでした。多種多様なセクシュアリティの人たちと語りあったことで、ぼくは自分を相対的に眺められるようになりました。そして、「ゲイであることはそんなに大したことじゃない。」プラウドに参加する過程で、いつしかそう思えるようになっていったのです。
 そして13年後の現在。かつて理想に思い描いていたことが現実となってしばらく経ちます。生涯を共にするパートナーとふたりで歩む日々。そこに愛犬が加わり、愛に満ち溢れた生活を送れています。
 もちろん、ゲイカップルであることの不利益は多々あります。だからこそ、社会に訴える努力はこれからも続けていくつもりです。昨年参加した「同性婚人権救済申立」は、まさにそのひとつと云えましょう。これからは生活者として、また税金を納めている一市民として、ぼくらが必要とする社会的保障をより毅然としたスタンスで求めていくことになるかと思います。どうぞ、応援ください。
 
 最後の最後に、プラウドの代表である藤田博美さんに本を寄贈しました。何度かお知らせしてきた永易至文さんの著書「ふたりで安心して最後まで暮らすための本~同性パートナーとのライフプランと法的書面~」です。実はこの本に提供したぼくのイラストは、プラウドの会報で表紙を飾ったものも数多く含まれています。
 そもそも、永易さんとの縁がつながったのもプラウドだし、何より、パートナーと初対面を果たしたのもプラウド主催のクリスマスパーティでした。初めてドラマ映画を監督させてもらったのもプラウドの企画だし、「香川レインボー映画祭」の立ち上げスタッフもやりました。ぼくの人生における重要な契機は、ほとんどプラウドにあったと云っても過言ではないのです。そういう意味でも、この本がひとつのお礼になればいいな。
 
 
 
 ぼくがゲイであることは、昔ほど重要ではなくなった。しかし一方で、ゲイであったからこそ開かれた人生もたくさんあったんだと気づく。だからこそ、プラウドはこれからもずっと存続してほしいし、ぼくらでなければできないことがあればその都度協力しようと考えている。
 プラウドが、地方に暮らす性的少数者たちの希望であり続けますように。田中昭全と川田有希は、ここで陰ながらお祈りしております。

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